人の気持ちが離れるとき
人の気持ちが離れる瞬間を経験したことがある。
自分の気持ちが他人から離れてしまう瞬間も、他人の気持ちが自分から離れてしまう瞬間も。
どちらもひどく切なくて人、付き合いというスキルにほんの少しだけ影を落としてしまう。
きっかけはまちまちなんだけれど、それまでのプロセスは大体同じように感じる。
突然生まれる得体の知れないモヤっと感。いちいち細かい所作が鼻につくようになる。
だんだん交流後に疲れてきて、以前は許せていた行動が許せなくなる。
そのうち感情の共有が億劫になる。
あぁ、もしかしてこれは限りなく嫌いに近い好きなのかも知れないと危機感を感じて取り繕うと、失敗しかしなくなる。
さらに気持ちが疲れるようになり、何かの瞬間さようなら、となる。
あまりにも悲しい。
付き合いが濃厚に慣ればなるほど、そういった行き違いが発生するのがやむを得ないとは思っていても、自分のテンプレートに当てはめた相手が思いも寄らない行動をした時結局「なんだこいつ」となってしまう。
自分の気持ちが他人から離れてしまう瞬間という帰路に今、自分が立たされているように思う。
限りなく嫌いに近い好き。
今回に限らず、私としてはこれが嫌いに振ることは全くもって良い結果にならないことは理解している。