今週のお題「自分にご褒美」
先述したようにネタがない私。
月曜日の朝、何を書こうかと思っていたらお題があったのでのっかることにした。
今週のお題「自分にご褒美」
浮き足立った年の瀬も迫り、なにかと自分へのクリスマスプレゼントを送りがちな今の時期にぴったりのお題だ。
私ごとだが、今年の3月から服を買っていなかった。
なにたった数ヶ月服買わなかっただけかいと思われるかもしれないけれど、元々服道楽なところがあって、服を着るのも買うのも趣味だった私からすると中々のこと。
その理由が昨今のコロナ禍で外出が減り、仕事も減り、収入も減り…というわけではない。
今年に入ってから 生まれ変わりたい 欲がすごかった。
とにかく生まれ変わり、何者かになりたかった。
作家と名乗りつつも目に見えてバズりもせず、努力せず何かのラッキーで世に名を馳せたいと煩悩にまみれくよくようじうじし続けて立ち止まってる。突然そんな自分がちっぽけに思えるようになって心底嫌になった。
それで生まれ変わりたくて安直ではあるが服をはじめ、身の回りのものを捨て始めた。
それは俗にいう断捨離とはちょっと違う感覚だった。
生まれ変わりたい自分
生まれ変わったときの理想の自分
生まれ変われないもどかしさ
生まれ変わる意味
生まれ変わる前の、つまりは今の自分
今の自分の意味
今の自分と理想の自分への剥離
突然自分に否定されることになった今までの自分
………
……
…
そんなことをぼんやり頭の片隅で考えながら、身の回りの整頓に努めた。
勢いで捨ててしまうのではなく、物によっては敢えて数週間、数ヶ月、捨てるのに熟考した。
元々断捨離が大好きな私は捨てるという行為にさほど抵抗がなく、思いつくとポンポンと「無」で捨てられるタイプの人間だったから、この考えながら捨てるというのは凄まじいストレスで、わーーーっとゴミ箱に投げ入れたい衝動に何億回もかられた。
それをグッと抑えて、思いを馳せ続ける。
そしてお陰様で出かけする時に着れる服が2着だけになり、この夏はその2着だけでどうにかやりくりした。
途中、良い歳した女のよそ行きの服が2着…と惨め感に襲われZOZOTOWNを覗いたりもしたけれど、結局購入に至る程どの服にも魅力を感じなかった。きっとまだ早い。
それからも重い腰を上げては虚な表情で少しづつ整頓し続けた。
何もかも捨てたわけじゃない。
実際家の様子は去年の今とほとんど変わってないように思う。
でもクローゼットの中は服がかかってないハンガーの方が多いし、たくさん服が詰まっていた引き出しは簡単に引き出せるようになった。
そしてついに先日思い立ち、数年かけて湯葉のように薄く伸びきって、私の体のどこもホールドできなくなった下着たちを総入れ替えした。
風呂から上がっておにゅうのパンツを身に纏い、鏡に映るいつもより少しだけ上を向いた尻を見たとき、気持ちが高揚した。
それから少しして新しい服を数着買った。
元々温暖な気候の土地だから冬服が少なめだったのもあったけど、処分しすぎてこれからの季節にいよいよ着るものがなくなったからだ。
必要に迫られながらの状況ではあるけれど、夏に惨め感に襲われ嫌になりながら選んでいた気持ちとは違った。
鏡に映った上向きの尻を見たときのワクワクやドキドキがそこには、ZOZOTOWNにはあった。
まだ全然生まれ変われていないけど、なりたい自分が着ている姿を想像して、とりあえずのご褒美。
新しい服は今日届く予定。